A Thousand Miles 和訳・考察
Venessa CarltonさんのA Thousand Miles の和訳を紹介しながら、歌詞の考察をしていきたいと思います!
この曲はONE OK ROCKさんがカバーをしたことでも有名ですよね!
イントロの美しいピアノの音色がとても素敵ですね~。
ぼんやりと朝日がさすような、柔らかで優しい音が幸せな気分にさせてくれます。
そこに乗ってくるVanessaの透き通るような歌声。まるで視界がパ~っと開けるような爽快さがありますよね!
しかし、この歌詞、実はそんな優しく爽やかな印象とは裏腹にとても切ない歌詞だったりするのです。
そんな切なくも美しい歌詞について、和訳と考察をしていきたいと思います!
~歌詞~
Making my way downtown
walking fast, faces pass and I’m homebound
staring blankly ahead
just making my way
making a way through the crowd
街を歩いていく
足早にすれ違い、家路を急ぐ
ぼんやりと前を見ながら
ただ歩いていく
人混みをかき分けて歩いていく
このAメロでは丁寧な情景描写で、この主人公が家路を急いでいることが描かれていますね!
この部分の描写、みなさんも経験したことがあり、イメージをしやすい人が多いのではないでしょうか??
すれ違う人たちの顔なんてまったく覚えていないけど、次から次へと風景と同じく流れていく人の群れ。
そこに混ざるように、逆らうように歩いていく姿がイメージできますね。
and I need you
and I miss you
and now I wonder
貴方が必要なの
貴方がいなくて寂しいの
そうして考えるの
おとなしく美しいピアノが鳴っていたAメロから打って変わって、ストリングスが入ってきます!このストリングスの音、ハットするようなインパクトがあって素敵ですね。
歌詞もそれに伴って、主人公の心情を吐露するようなものになります。風景描写から内面の描写へと移っていきます。
ぼんやりと歩きながら、彼女の考えていることがどんなものなのか、真っ直ぐな言葉で紬ぎ、サビの歌詞へとつながっていきます。
if I could fall into the sky
do you think time would pass me by?
'cause you know I’d walk a thousand miles
if I could just see you tonight
空に落ちていくことが出来たら
時間が私を置いていってくれないかな
貴方知ってるでしょう 私は1000マイルでも歩いていくって
今夜 貴方に会えるのならね
これまでの現実的で、私たちの日常のワンシーンのような歌詞から、彼女が抱える悲しみや想いといった空想的なシーンへと繋がります。
空に落ちていくという普通とは真逆の表現。
時間が私を置いていってくれないかな という歌詞からは、未来へ進みたくない、過去にすがっていたいという彼女の強い思いが感じられます。
更に彼女は語りかけます。貴方に会えるのなら1000マイルでも歩いていくと。
1000マイルを私たちが普段使っているメートル法に直すと、約1600kmになります。
本当に途方も無い距離ですが、彼女は貴方に会えるのならそんな距離すら歩いていくと言っています。彼女の深い愛を感じますよね。
しかしこれはif+過去形で仮定法が使われています。つまりこれは現実ではないということです。
Bメロの歌詞から考えると、おそらく二人は別れてしまったのでしょう。
そう、これは失恋の曲なのです。
そして彼女は別れてしまった彼に強い未練がある、という歌詞になっています。
it’s always times like these
when I think of you
and wonder if you ever think of me
'cause everything’s so wrong and I don’t belong
living in your precious memory
私が貴方のことを考えているときいつもこんな感じなの
貴方も私のこと考えてくれていたのかな
だって全部間違えてたから
貴方の大切な思い出のなかに私はいないの
ここではまた彼女の独白のような歌詞になります。
自分がどんなに彼のことを考えていたか、そして彼もそうだと良いなという期待が感じられます。
しかし、その期待が間違いだった、彼の思い出の中に自分はいなかったという切ない現実が描かれています。
これも共感できますよね。恋人と別れたあとに、自分ばかりが好きだったのか…なんて考えてしまいます…
cause I need you
and I miss you
and know I wonder
だって貴方が必要なの
貴方がいなくって寂しいの
そうして考えるの
そして再び彼女の悲しい気持ちが描かれます。
彼の思い出の中に自分はいない、と分かっていながらも彼女にとって彼はなによりも必要で、大切な思い出だったのですね。
if I could fall into the sky
Do you think time would pass me by?
'cause you know I’d walk a thousand miles
if I could just see you tonight
空に落ちていく事ができたら
時間が私を置いていってくれないかな
私は1000マイルでも歩いていけるのに
今夜 貴方に会うことができるなら
サビは1番と同じく、彼に会いたいという気持ちが描かれています。
彼に必要とされていようとなかろうと、1000マイルでも歩くという、彼女の深い思いに胸が締め付けられるようですよね。
真っ直ぐな愛が素敵な歌詞です。
and I, I don’t wanna let you down
I, I drown in your memory
I, I don’t wanna let this go
I, I don’t
貴方に知ってほしくないの
貴方の思い出に酔っているなんて
でも失いたくないの
嫌なのよ
ここからは更に彼女の感情がはっきりと現れます!
彼には自分のこんなに未練がましい姿を知られたくない、けれどもその未練を、彼と過ごした日々を、思い出を失うことなんてできない、というどうしようもないくらいの彼への愛が感じられます。
二人で買ったマグカップ、おそろいの指輪、そんな思い出の詰まった品を、捨てられない方も多いのではないでしょうか?
たとえそれを見て、いつかの二人を思い出したとしても、その思い出を捨て去ってしまうのは簡単ではないですよね…
Making my way downtown
walking fast, faces pass and I’m homebound
staring blankly ahead, just making my way
making a way through the crowd
街を歩いていく
早足ですれ違い、家路を急ぐ
ぼんやりと前を見ながら歩いていく
人混みをかき分けて
ここでまた冒頭の歌詞に繋がり、帰り道のシーンへと戻ります。
この繰り返しによって、ここまでの彼女の想いが家に帰るまでの短い間に浮かんできたものだということがわかりますね。
悲しいことにこういった思いというのは、ものすごいスピードで頭を回っていきます。
おそらく次から次へと彼女の頭の中は彼との思い出でいっぱいになっていったのではないでしょうか?
そんな時間の経過というのが感じられる歌詞だと思います。
and I still need you
and I still miss you
and now I wonder
まだ貴方が必要なの
まだ貴方がいないのが寂しいの
そうして考えるの
ここでBメロの歌詞が少しだけ変化します。
まだ、という単語がつけたされることで、彼との思い出にしがみつきたくなってしまう気持ちが現れていますね。
もう少しだけ、もう少しだけというこの気持ち。失恋を経験した方なら共感できるのではないでしょうか?
if I could fall into the sky
Do you think time would pass us by?
'cause you know I’d walk a thousand miles
if I could just see you, oh, oh
空に落ちていく事ができたら
時間が私たちを置いていってくれないかな
私は1000マイルでも歩いていけるのに
今夜 貴方に会うことができるなら
if I could fall into the sky
Do you think time would pass me by?
'cause you know I’d walk a thousand miles
if I could just see you
if I could just hold you tonight
空に落ちていく事ができたら
時間が私を置いていってくれないかな
私は1000マイルでも歩いていけるのに
貴方に会うことができるなら
今夜 貴方を抱きしめられるなら
最後の大サビでは彼女の歌い方も変わり、より語りかけるようなものになります。
捨てられない思い出や彼への思いを吐き出すように歌い上げる声に、とても感動しますよね。
前編を通して彼女にあったのは、ただ彼に会いたいという思いだけ、ただそれだけなのです。
そのたったひとつの目的のためなら、どんなに離れた距離だって歩いてみせる。
その強い決意と愛情を感じることができます。
なんとも悲しく、そして強い気持ちが描かれ、イントロの美しいピアノの旋律で曲は終りを迎えます。
以上が A Thousand Miles の歌詞でした。
どうでしょうか?悲しくも素敵な彼女の歌詞の世界。
それでいて共感できる点が多いですよね!
ピアノの旋律と、彼女の歌声、素晴らしいメロディー、それらが合わさり、悲しくもどこか温かい名曲となっています。
英語の歌詞は日本人の私たちには、馴染みが薄く、分かりづらい点もありますが、その歌詞を紐解くとより楽曲を楽しめますよね。
そして失恋の悲しみというのは万国共通というのもわかるかと思います。
そんな素敵な楽曲、みなさんもぜひ歌詞の意味を考えながら聞いてみてください!
音楽が貴方に寄り添ってくれることを願っています。
また様々な歌詞について考えていきたいと思いますので、遊びに来てくれたら幸いです。